「追想の地図」神田 開主 写真展

前回の「真昼の夜空」から2年が経ちましたね。この作品はいつ頃から?

……(考えながら)……いつだったっけかなぁ(笑) 写真を初めた頃から意識は地元に向いていたんです。 撮影自体はもう何年も続いていたのだけど、正直なところまだ外に向けて発表していく気はなくて…
きっかけはテレビ画面越しにみた【3•11】の津波の映像だったと思います。 こういう場所と景色の変わり方もあるのだな…と。
結果的に今まで撮り溜めていた作品を「もっと定期的に発表していきたい。」「カタチとして残していきたい。」と意識するようになり今回ニコンサロンさんの方で再度展示をさせて頂くことになりました。

卒業してから研究科に在籍していましたよね。

そうですね。卒業してからも2年間、「研究生」として日本写真芸術専門学校に通っていました。自分の中でも「関わっていく居場所」を作っておきたかったという思いがあります。私の中ではコンスタントに続けていく上で結構大事なんですよ。
3年制のフォトアートゼミの菊池先生や長坂先生の授業を選択し受講していましたし、暗室の授業も選択してましたね。

—え、でもこの作品は?—

これはインクジェットでの出力です。パソコンで加工をしながら出力を調整するのですが、階調を選択をする時に暗室で学んできたことが活きてくるんですよ。
共通する部分も多くて…だから、研究科の時にも選択して追求していましたね。あとは「特別講義」これは色々な意味で話が聞けてとても充実していました。
卒業された先輩方の作品を観る機会も多く、良かったです。

作品について教えて下さい。

作品を作る時、私の中では一枚の絵を描いているような心持ちで取り組んでいます。 1枚を撮影をするのに時には30分近くをかけることもあります。
画面構成を決めるのももちろんですが、その画面の中に「何か」起こるのを待っていたり。
でも大体そういう時はカメラなんて構えてないで、ぼんやり空でも眺めているんですけどね(笑)

これからの活動について。

まずは「外をみる」ことから始めたいと思います。私の場合はそんなに遠いどこかのことではなく、地元から一歩踏み出した世界からになりますね。

私の作品創りのきかっけとなった「地元」ですが、これはたぶんこの場所と関わる限り、ずっと続けていくことになるのだと思います。
これから先、何かを作っていく上で自分自身の道しるべのようなものになるのかな。

これから写真の世界に入る人へコメント

日々の積み重ねが作品になるのだと思います。
思い通りのものは中々撮れません。
ですが、簡単には写らないからこそ、頭で考え身体を動かし、時には予想外のものが出来上がりもします。
継続は力だと思います、頑張って下さい。

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