「白い痕跡」岡田 将 写真展

岡田さんが日本写真芸術専門学校に入学しようと思ったきっかけは?

高校3年生から進学の検討を始める。大学受験を検討していたが、高校時代は勉強がとても苦手で進路に悩んでいた。そんなとき情熱大陸をみていると三好和義さんの特集をやっていた。楽園をテーマに撮影をしており、年商数億円も稼ぐ写真家だった。作品がとてもキレイでお金も稼げて女の子にももてるなんて素敵な職業だと思った。この仕事なら自分でも出来るのではないかと思い、翌日には願書をもらいに行った。
写真をやっている友人にも聞いてみると多くのカメラマンのカメラを始める動機は「女の子を撮りたい」や「女の子にもてたい」など安直なものが多い。
日本写真芸術専門学校を選んだ理由は直感。日本写真芸術専門学校以外は全く検討しなかった。立地が良く近くて通いやすいことが最大の理由だったと思う。

フォトアートゼミでしたよね。在学中の思い出は?

まずは菊池先生との思い出が深い。菊池先生に初めて作品を見てもらったときに「変態」と言われた。見せた作品は生のステーキに100本くらいの釣り針を刺して撮影をした作品。その当時は、変わった作品が多かったと思う。菊池先生からは「変態」と言われたが「変態はカメラマンにとって褒め言葉だよ」と言ってもらいとても嬉しかったことを覚えている。
特別講義での思い出も深い。長野重一先生の特別講義では作品を見てもらってすぐに先生から「君、引きこもりでしょ?」と指摘される。当時自分は本当に引きこもりだった。写真から「引きこもり」のことを一瞬で読み取られ、写真の力を本当に思いしった出来事だった。
友人との出会いも大きい。写真について刺激し合うことができ、アドバイスしたり反論したり、語れる仲間がたくさん出来たことは本当に良かったと思っている。

この作品はいつごろから?

4~5年前からだと思う。学校を卒業してから撮影を始めた。当時はデジタルで撮影しようと思っていたが作品は4×5で撮影している。
最初は紋様だけを撮影していたが作品をみている人が飽きると思い、引きもとるようになる。
昨年一年間で一気に撮影し、作品をまとめた。
昨年からまとめて撮影するきっかけになったのは菊池先生と友人だった。
ダラダラしていた自分に2人から突如お叱りの電話をもらい、本気になってまとめたのが今回の作品。本当にありがたかった。

これからの活動について。

コンスタントに写真展を開催していきたいと思っている。とにかく楽しかった。
今回の写真展では多くの著名な写真家の先生方に来場していただきコメントをもらうことが出来た。
まずは今道子先生。今道子先生と飯沢耕太郎先生が昨年12月に2人展を開催していたので、そこで今先生に直接お会いし、自分の個展のDMを渡すことが出来た。その後B GALLERYで開催された1人展にも足を運び再度DMを手渡しする。先生は覚えていてくださり、さらに本当にニコンサロンまでお越しになっていただけた。作品に対してもコメントをいただくことができ「面白い」、「単調な作品ではなく、現代アートを意識している作品」とコメントしていただけたことを本当に光栄に思っている。
他にも大西みつぐ先生、石川直樹先生、倉田精二先生、土田ヒロミ先生などにもお越しいただき、とても有意義な写真展となった。

一般の方からのコメントもとても参考になり、嬉しかったコメントも多くあった。 作品を見て涙を浮かべた70代くらいの男性がいた。幼少時代を思い出し、少年の孤独な感情が伝わるとコメントをいただいた。写真で見ていただく人の心を震わす事ができたことがとにかく嬉しく思う。
展示した作品に写っている家が祖父の家だという女性にも出会うことが出来た。

ストレートな作品も好きだが、今までは現代アート的な作品がメインだった。
これからはストレートな作品を撮影しつつ、現代アートも撮影していきたい。
「白い痕跡」はもちろん続けていくが他にも現代アート的な作品も発表していく予定だ。
2~3年のスパンで個展という形式にこだわり作品を発表していきたいと思っている。

みなさんに伝えたいこと

日常には様々な発見がある。とにかく「観察」してほしい。「観察」はとても楽しいこと。「観察」を意識し、大切にすることで日常の小さな違いに気付くだろう。
写真を自分の生活に取り込み、通勤・通学中でも気を配ることでカメラを通して様々な発見を見つけることができるはずだ。

2012年2月21日(火)~2月27日(月)新宿NikonSalon 2012年6月14日(木)~6月20日(水)大阪NikonSalon

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