「諫早 ~haha naru umi~」髙木 忠智

「日常というものは奇跡なのかもしれない」という思いは、3.11以降、よりつよくなった。
だれかに会って、風景に出会って、撮ることができた。それは当たり前のことではなく、とても劇的なことなのだ。
そんな日常のはかなさは、清らかで美しく、神聖で愛おしい、子供の頃の記憶と重なる。
日常に居ることができるから出会うことのできる、「当たり前」を大切にすることからはじめたいと作者は思っている。カラー40点。

日本写真芸術専門学校に入学したきっかけを教えて下さい

高校2年の時、学校の廊下に『世界報道写真展』のポスターが貼ってあり、凄いインパクトがありました。東京都写真美術館に観に行き、丁度9.11テロ事件の翌年でしたので、エグクて過激な写真だったのを今でも覚えています。 元々「油絵」を勉強していましたがその時から「写真」を勉強したいと考えました。 実は高3の夏まで、写真系大学の進学を検討していましたが希望していた所が東京以外と言うこともあり、家族を大切にしたいと言う想いも重なって、日本写真芸術専門学校のパンフレットを見て決めましたね。外国に憧れが強かったこともあり、フォトフィールドワークゼミはピッタリきました。

在学中はどのように学生生活を送っていましたか?

私たち2期生は5人で海外フィールドワークに行きましたが、本当に多くのことを学びました。 また、海外フィールドワークに行く前のアジア学院での国際交流や小笠原諸島の戦跡調査などしっかりと準備できたのも良かったです。(現在は2年次にマレーシアに短期間フィールドワークを実施)

海外フィールドワーク中に病院に行ったりもしましたよ。何故か体中に斑点が出来てしまって、夜中にタイの病院に行って検査してもらいました。その後チェンナイで日本人の女医さんに出会い、治療に協力して頂けたのは、今思えばすごくラッキーでしたね。

私たちのフォトフィールドワークゼミは上下の交流もあり、今でもたまに会ったりしますが、皆大変な思いもしたけど、充実していて、共通の話題がありますから楽しいですね。他のゼミからも羨ましがられます。(笑)

現在はどのような活動をされていらっしゃいますか?

フリー作家で活動しています。2011年にpetit geisai#15 の準グランプリ受賞後、TAP Galleryに所属しています。 その他にも北海道東川町での展示指導員だったり、株式会社アマナの受付もしています。 TAPでは定期的に作品が出せることが大きいですね。 丁度、今、同じ時期にTAPと他3会場で展示をしているんですよ。ここ(新宿ニコンサロン Juna21)を含めると5会場で行なっています。是非皆様にも観て頂きたいです!

TAP galleryメンバー

大谷佳 / 小野淳也 / 佐久間元 / 野尻浩行 / 林田真季 / 福居伸宏 / フジモリメグミ / 村越としや / 山口創造
(2015.4.1現在)

フリーランスの活動だけで生活しているのですか?

先ほども話をした通り、フリーランスで、作品の売買だけで生計を立てるのはまだまだ難しいです。 海外にもネットワークが必要だと考えているので、フランス・アルルのポートフォリオレビューにも参加しています。英語の壁がありますが、続けていきたいです。 国内でもamana photo collection や清里フォトアートミュージアムなどにもチャレンジしていきたいですね。

どのような経緯で今回の展示を行うことになったのか教えて下さい。

昨年、写真家の友人と会い、『それぞれの目標を決めよう!』と言う話になり、私はTAP Gallery以外でも展示をしよう。と宣言しました。NikonのJuna21に決まったのはそれから半年後くらいだったかな?友人たちからは焼き肉でお祝いされました(笑)

新宿ニコンサロンでの4月展示が決まったのとTAP Galleryのスケジュールが重なり、どうしようかなと考えていた所、いろいろな方々からアドバイスを頂きました。村越さんからは『もっと展示する場所増やそうよ』というお話もあったので、計5会場の展示が決まりました。

村越さんは学校の先輩で、悩んでいても親切に答えてくれます。モチベーションも上がります。

教務課の長坂先生にはこのニコンの展示のアドバイスをたくさん頂きました。本当に感謝です。

作品について教えて下さい。なぜこのテーマにされたのですか?

タイトルはギリシャ神話に出てくる神の名前です。私の場合、タイトルだけでは分からないようにしています。言葉にしたら、固定概念が出来てしまいますから。 このシリーズは3.11以降ずっと撮影していて、自分の中で残したいモノ、や、以前見たような感覚(デジャヴ)などをまとめています。場所も“ココ”と決めている訳では無く、自分の生活の中で切り取っています。

これからの活動と目標について教えて下さい。

とにかく、有名になりたいです。
カタカナの名前にしたもの覚えられてもらいやすいから。

みなさんにメッセージをお願いします。

ウチの学校に入るんだったら、フォトフィールドワークゼミ!!これが一番言いたいです。 言い方は変かもしれませんが、写真のことは卒業してからでも出来ると思います。逆にフォトフィールワークゼミはどんな方向にも進めると思います。同級生は農業に携わっています。 大きく言うと、生き方が選択出来る。本当にフォトフィールドワークゼミはオススメです。

–フジモリメグミさん、ありがとうございました。2015年度の新しい日本写真芸術専門学校の学校案内(パンフレット)はフジモリメグミさんの作品が表紙と裏表紙になっています。–

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