荻 由美佳さんは日本写真芸術専門学校 I 部(昼間部)報道写真芸術科の報道写真専攻を2007年3月に卒業されました。現在は新聞社のフォトグラファーとして活躍されています。今回「ONE DAY WORK」写真展がコニカミノルタ フォト・プレミオで開催されたので、お話を伺いました。
いいえ、この作品は卒業して社会人になってから撮り始めました。なので、実際の取材期間は8ヶ月くらいです。在学中はこの「ONE DAY WORK」とは直接関係はありませんが、バイオリンを作る職人さんや、日本に住む南米の日系人の方たちを取材し、撮影しました。
連日、新聞やテレビで取り上げられていた「日雇い労働者」と呼ばれている人々、彼らは実際どういう人々なんだろう?と純粋に興味を持ちました。
マスコミでは『悲惨』や『弱者』のようなイメージですが、本当にそうなのか?というのを実際に見てみたいと思ったのです。
取材の方法として、まずは一緒に働きます。1日8時間ぐらいです。ここで発表している方々の仕事は全て体験しました。その後、知り合った方にしっかりと自分の身分や取材の経緯、目的そして許可をとって取材しています。お話をしないで、いきなり撮影などと言うことはありません。
派遣の日雇い労働をいろいろ体験しました。前日にいきなり電話がかかってきて仕事を依頼されたこともありますし、ほとんどの仕事が実際に現場に行ってから直接担当者さんに「これをやって」と指示を受けました。実際に働いている派遣の日雇い労働の方々は、ごく普通の人たちばかりでした。
みなさんと一緒に働くなかで、それぞれの夢や希望、悩みや不安を実際に聞き、多様な働きかたもあってはいいのでは?と思う反面、一日限りの現場やその場限りの人間関係に悲しさを感じました。
「日雇い労働者の問題」は、正直難しいテーマだと思います。なので、今回の写真展では、見に来て下さった方々にもう一度、『働くとはなにか?』ということを考えるきっかけになればと思います。
インタビューやポートレート、記者会見など様々な現場やシチュエーションでも撮影します。常にどんな時でも撮影できるよう心がけています。 専門学校時は、テクニックよりも哲学やテーマに関しての考え方、人との関わり方などを多く学んだと思います。写真家が先生だったので、すごく勉強になりました。もちろんクラスメートも写真に対して熱い人ばかりでしたので、楽しかったです。
今の仕事が来春で一応区切りとなっています。卒業してから3年間、仕事をしながら休日にはテーマ撮影や取材をしてきました。これからも、このスタイルを続けたいと考えています。また、海外にも興味があるので視野をもっともっと広げたいです。
専門学校の2年間は凄く早いです。何もしなければ、多分なにも残らないと思います。よくも悪くも『自分自身』です。 私は早い段階で写真の仕事がしたいと考えていましたが、18歳で決めるのは難しいけど、夢に向かって突き進んでほしいと思います。