インドに もし インド人が居なかったら [45]
7月18日、成都。
ここからまた五十嵐先生との珍道中がスタート。
敦煌→ウルムチ→ゴグンダラ(内モンゴル)と田舎を回ります。
この数カ月で五十嵐先生とは気が遠くなる程の言葉を交わしたはずですが先生の頭の中は未知数で溢れてます。会話のキャッチボール、お互いに『そこっ!?』て球がばんばん飛んできたり投げても返ってこなかったり予想できないので面白い。
そんなある日の先生と私のタクシーの中の会話を私目線で忠実に再現してみる。
状況:タクシーの中から成都の街並みを眺める五十嵐先生(以下I)とその隣に座りぼーっとしている佑木(以下Y)
I 『いやあ……しかしインド人が居ないねえ』
…インド人??
Y 「そ、そうですねえ」
成都は観光客少ないんでしょうか。日本人も見ないしと言おうとしたらぽそっと
I 『インドにはいっぱいいたのに』
!!そゆこと?
Y「先生それは…インドにインド人居なきゃおかしいですからねえ」
となにがおかしいのかおかしな答えを返す
I 『うーん。でもさ、もしなんらかの事情があってインド人が一斉に移動したらインドにインド人は居なくなるよね?』
Y「はぁ…まぁ…」
I 『って俺は何言ってんだろ』
とご自分でもおっしゃってるので素直に書かせていただくと 私もこの人はまた何を言い出したんだろう と思った
がしかし私のまわり、そういう突拍子もない話題を振ってくる人が多いので考えてみることにした
インド人大移動について…
国境越えは飛行機か船か陸移動か。飛行機の台数が足りなかったとしてもがんばれば、本気を出せば可能かもしれなくもない…?でもなあ、なんてったって全員だからなあ。だったら
Y 「絶滅するほうがまだ可能性あるんじゃないですかね?」
たとえばサティアンで製作してたあれをばら撒くとか原爆…は燃えちゃうから却下。なぜならこれはインドにインド人が居なかったらという仮定の話なんだから。O-157 ってのもあったね。や、インド人はお腹丈夫そうだけど…超!O-157みたいなものとか流行り病とかノストラダムスに預言してもらうとか
I 『うーんそうかあ』
納得されたんですか?先生
I 『絶滅かあ。びっくりするだろうな、旅行者』
!!インド人だけ、居なくなる設定だったのか!
それは大変だ。カレー屋も、あまったるいチャイ屋も、バラナシの火葬もやってない。
しつこい客引きも、鮮やかなサリーガールも居ない。
あるいはネパール人とか中国人とかインドに居る外国人にお世話にならなければならない。あと入国もパイロットも船長もインド人であってはいけない。
なぜならこれはインドにインド人が居なかったらという仮定の話なんだから。
入国審査はあるの?無法地帯になるんだろうか。政府は?その辺の細かいことは考えるときりがないけど想像してみる
からっぽのインドの街と外国人とのら牛やのらヤギがけが居る世界。
不思議ではあるけど、あまり魅力的には思えないな。
インドに来たからにはインド人に揉まれなきゃいけないし毎日カレーをいやというほど食べたいしベトナムに行ったらバイク渋滞に驚いて必死に道を渡ってってのがね、いいよね。
となると、インドに行く、ってことはインドの大地を踏むというよりもっとシンプルに言えばインドにいるインド人に会いに行く という行為なのかも知れない。
今で9カ国。そういうことを繰り返してきたんだなあと思う。
もうちょっとで目的地。先生はすでに他の話題に夢中です。

