Lines of Sight ~それぞれのアジアへの視線~
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06.09.25

彼岸の頃の朝顔

 祖母が生前、家の目の前の壁のところに花をたくさん植えていたのを知っていたけれど、その中にもちろん紫陽花も朝顔もあって、でも僕がこの間一時帰国したとき、夕方でも朝顔が咲いているのを見ておかしいなと思って近付いてみたら造花がそこにぶらさがっているだけで笑ったものだけれど、今回はちゃんと本物の朝顔が花を青空に向けて開いていた。もちろん造花の花もぶら下がったままだったけれど、枯れた紫陽花と造花の朝顔と生花の朝顔がなんとなくそこに並んでいるのがいいなぁと思ってしみじみしてしまった。

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 昨日一昨日とお彼岸なかばの土日ということもあって、初彼岸を迎えた僕の家にたくさんの親戚の方々が来てくれた。その時は祖母が亡くなったんだという事実を、至極簡単に、ありのままに受け入れることが出来た。というのも周りのみんながそれを現実として当たり前に振舞っているからで、そうでもなければ普通に生活とか社会とかは死人のためにグズグズしてなければいけないけれど、実際割り切っていくしかないとわかっている人がちゃんと多いからこんな風になる。それを自然に受け入れてる自分もその一人なんだろうなぁと思ったり。


 でも、平日になって、お彼岸も終わっていなくても、ここまで静かで、夕暮れの秋の陽射しが家の中まで入ってくるようになると、静けさはそのまま静寂になっていってしまって、この家にずっといた祖母のことを一々思い出してしまう。祖母は専業主婦で、この家が建ってから20年間、ほとんどをこの家で過ごした。たまに外出したり旅行に出たりはしたけれど、そういうのを除けばずっと家にいた。その祖母がたてていただろう生活音とか、吐息の音とか、演歌のカラオケのテープにあわせて口ずさむ声とか、近所のおばちゃんが遊びに来て談笑してる声とか、野菜を刻む音とか、寝息とか、テレビをじっと見ている時の息遣いとテレビの音とか、そういういろんなものがごっそりと持ち去られたようで、その合間を埋めるように僕が音楽をかけてもその空虚感というか、欠けてしまった感じはぬぐえなくて、結局静寂を背中に感じてしまう。



 外から虫の声が聞こえる。

 すずめの鳴く声がする。

 隣の家のベランダで奥さんが洗濯物を取り込む。

 近くの道路をトラックが走っていく音がする。

 犬の鳴き声がする。

 祖父が咳き込んでいる。

 風。

 全ての音の隙間。

 そしてまた風が吹いて虫が鳴く。




 今日は一日中家にいて、自分がこの半年で撮ってきた写真のベタと睨めっこ。多い!って言ったら逃げになるのかわからないけど、多くて、一日に見たい量じゃないなと思い、途中キリのいいところで第一弾切り上げた。明後日までに一通りは全部見たいから、今夜、もう一度続きをやろうとは思う。


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06.09.22

今日昨日一昨日

 三日連続で高校時代の同級生に会った。書道とかデザインをやっていた、本名・太郎くんと、油絵やデザイン、今では写真も撮ってる阿部君と、書道の天才、本間君。楽しい時間をありがとう、です。


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 久しぶりの宇都宮は金木犀の匂いがして、それとなんだかわからないけれど、その土地の匂いというか、そういういろんな香りが鼻をついて、太郎君と二人で「懐かしいね」なんて笑ったりした。

 その日のうちに太郎君は神奈川に戻って、僕も小山に戻って、次の日、阿部君と立川で待ち合わせ。その夜、彼の部屋で彼にこんな写真を撮られたり。(写ってるのは僕だったりします。)

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 久しぶりに帰ってきて、会うのも久しぶりなのに、誰とも久しぶりの気がしなくて、それは僕だけの気分の問題なのかもしれないけれど、高校時代の友達なのに会っても話す内容が過去に飛ばずに現在からその未来へ向かっていくのはすごく一緒にいて楽しい。だからたぶん久しぶりの気がしなかったんだと思う。

 その翌日の今日、本間君と会ってもそれは変わらなくて、もちろんこの旅の話もいくつか話したけれど、結局はそういう「この先」とか「最近」とかに話題が落ち着いていって、そのうち話題も尽きて、それでもくだらないことを言い合いながら笑っていられるのがとても気楽に心地よかった。

 ありがとね、みんな。


 今夜はその後、高田馬場でベタ焼き。120枚を一息にやって、ベタどりは終わりです。これから編集に入っていく秋中ごろ。

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06.09.18

後日談

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 日本帰国も案外あっけなくて、韓国・釜山をでた船が関門海峡あたりにきたのが九時頃で、僕の日本用の携帯電話にも電波が入って、久しぶりに友達と電話したりなんかもできて、その声を聞くのは本当はやたら久しぶりだったはずなのにすごく近くに感じれるから、不思議な感じがした。船が日本海を越えるまではすごく揺れたけど、夜の関門海峡あたりから朝の瀬戸内はとても凪いでいて、予報外れの天気に清々しい気持になった。
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いろんな友達や知人、先生までからお疲れ様と労ってもらえたりおかえりと言ってもらえて、なんとなく、照れてしまった。

 後日談。今回のFWの旅は3月17日から9月15日だから182日間だけど、僕にとっては実質154日間。28日も休んでたことになる。けれどこの間も、言ってしまえば、「すごくいろいろあって」、やっぱりこの半年間を振り返る時に除けないなぁと感じる。
 撮影枚数は全部で約6000枚。ブローニーでだいたい600本弱だった。たぶん人生の中で一つのテーマに 対してここまでシャッターを切ったのは初めてで、そう考えると今までは甘えてたんだなぁとも思うし、まだまだ足りないんじゃないかとも思う。とりあえず今は整理しないと…と目の前のベタ焼きの束にぞっとしたり。
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06.09.13

FW最後の一日は

 FW最後の一日は休養日みたいな感じで過ごした。ほんとは「もっと撮らなきゃ」とか「何かしなきゃ」というような焦りが気持ちのどこかになかったわけじゃないけれど、それでも焦りに突き動かされるよりは、嵐の前の静けさというか、そういうのに身を委ねてしまってもいいんじゃないかという気持ちのほうが大きくて、なにより今いる町が自分のテーマに即していないというのが一番大きかったのだけれど、ともかく一日をのんびりと過ごして、読書したり外を眺めたり、町にふらっと出てみたりしていた。


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 明日、この港町を船で出て、明後日には日本。

 前にカンボジアに一人で行ってみて、そこから帰国したときとも、フランスの研修旅行から帰国したときとも、この間のマレーシアから離団して帰国したときとも、デリーで結局みんなと合流できずに帰国したときとも、どれとも全然、本当に違う気持ちで帰国する。

 その、日本に着いた時の気持ちを想像すると、なんだか、良くない。そんな気がする。



 それでも、この半年の間、本当にいろいろな人たちにお世話になったことに感謝したいという気持ちは変わらなくて、引率でいろいろと力になってくださった五十嵐先生、教務課の先生方、旅行部の(株)NKCエンタープライズの佐藤さんを始めとするスタッフの方々、このFWにあたって協賛してくださった(株)オリンパスイメージング様、そしてそして半年間ずっと一緒に頑張ってきたクラスのみんなに改めて御礼を言いたいと思います。

 ありがとうございました。


 これからも相変わらずのペースで、細々とでも着実に当たり前のことを繰り返していけたらと思う、そんな最終日。


 です。

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06.09.11

夕暮れ過ぎから夜までの

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 釜山に着いて、ほっと一息ついて、それからぶらつき、羽立の旦那と奈々子姉御と三人でご飯を食べ、別れ、少しぶらつき、帰った一日。9月10日。
 明日で飛行機がビルに突っ込んでからもう5年が経つなんてことを思い出して、それなのに5年も経ってもいまだに「飛行機がビルに突っ込んだ」ことにリアリティを感じられないことにも思い当たった。
 平穏ほどの幸せはないと思うのに、そういうのを一瞬で壊してしまった、あのテロはやっぱり憎むべきものなんだろうけれど、だからといってそれで戦争にまで発展させたアメリカのやり方もどうかと思ったり、イスラム教に対する画一的な批判的な見方もどうかと思ったり、そこからようやく始まった日本人のイスラム教に対する好奇心もどうかと思ったり、いろんなことを考えさせられたものだけれど、やっぱりそれでもあの9.11という「事象」に対してリアリティを感じられないのは、僕がそういう世代に生まれ着いてしまったからなのか、ただそういう性格なのか、それともそもそも自分から遠く離れた場所で起きていることに関して人間はリアリティを感じないものなのかはわからない。
 釜山の夜もやっぱりにぎやか。
 こういう「日常」はなくなっちゃいけないと思う。
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06.09.10

最後の町にやってきました。

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 ということで、韓国の釜山にやってきました。
 もう日本が見える。。。なんて所らしいが、見えるのは対馬らしいので、僕の感覚からすれば九州くらい見えないと日本が見えた気分にはならないけれど、どちらにしろ海までまだ行っていないので日本が見えるような気分にはなっていない。それでも次の町がもう大阪だと思うだけで、「長かったんだか短かったんだかわからないけど、とりあえず一区切りなんだなぁ」という思いがリアリティを伴って感じるわけで、そうなるとよりいっそう反省を込めて自分の半年を振り返ることができる。

 まぁ、ここで愚痴っても仕方ないので、この半年の成果とかそんなことに対してどう思っているかなんて書く気はないけれど。


 韓国の安宿はどうしても妖しい雰囲気が否めないけれど、今回は本当に妖しくて、廊下の照明が少し(というかかなり)エロかった。けれどそこを佐藤健太郎さんと二人で歩いたもんだからただ可笑しくて、そんなもんなのかなぁと思いながらチェックインをした。

 明日くらいはぶらつこうかなぁと思いつつ、多少骨休めをしようと考えている今日この頃。

 読了感謝。

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06.09.09

雨音にビスケット~宋廟まで

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 今朝から雨が降っていて、迷った挙句、洗濯だけして、今日はまだ一度も外出していない。雨が上がるか、弱まるか。行けるかなぁと思ったらカメラだけ持ってぶらりと行こうかとは思ってはいるものの、雨音はさぁぁぁぁ、という感じのがず゙っと続いていて、そういう気分にもなれず、ブログなんて更新しています。
 秋、雨が降ると涼しいというよりぐっと冷え込んで寒く感じる。冬の気温に慣れたからだがその気温に触れると暖かく感じるんだろうけれど、残暑の温度に慣れ親しんだ身体はそんな気温のズレに寒さを感じて、「もう秋なんだよなぁ」と思い知らされる。結局は体感温度なんて相対的なものなんだろうけれど、それに身体を慣らしていくのが動物で、それが一番下手なのが人間なんだと思う。昨日は弱めに冷房をつけていたけれど、今は窓を開け放している方がよっぽど寒くて、タンクトップの上からブランケットを羽織らなきゃ居られない。

   昨日、テレビで総裁選の話をやっていたけれど、それに本当に関心を持って、その関心を表に表そうとまで感じる人は日本にどれくらい居るんだろうと、イエメンだかどっかの選挙で治安が悪くなるおそれがあるというニュースを見たときに感じた。政治が国を動かすということをどこまで実感しているかなんていったら、日本はまだまだ。でも、そうなってしまった、という意見が正しいと僕は思うので、そうなってしまった、からどうなったらいいんだろうと考えながら、結局自分も「それに本当に関心を持って、その関心を表に表そうとまで感じる人」にはなれていないんだなぁと思い。

 もう起床してから何時間も経っているのに(しかも牛乳とビスケットしか口にしていないのに)空腹感を感じない。
 や、空腹感は感じるものじゃなくて覚えるものだから、忘れていられるんだろうなと思う。そんな昼。
 まだ雨音は優しく続いています。
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06.09.08

右利きの左手

 右利きといえば、お箸とか字を書くのが右手の人のことだけれど、その人の左手はどうなっているのかといえば、全然働いていないわけではなくて、たとえば字を書くときは紙を押さえたりしているし、うどんを食べるときはレンゲを持ってスープを掬っていたりする。加えて言えばカメラなんかだとピントを合わせるのは大抵左手の仕事だし、ギターを弾く人なんかは指板の上でフクザツな動きをしているのは左手だし、ピアノ奏者は左手でも鍵盤を叩く。そんなことを考えながらうどんをすすっていたのは今日の昼飯時で、考えた内容なんて言ってみれば寝言レベルの他愛もないことだ。


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 今日は一日晴れなかった。秋の空に鱗雲。


 撮影には行ったものの、案の定からぶった。


 明日があるさと思いつつ、帰路の途中、フナ焼きを買った。日本ではたい焼きだろうけど、一回りちっちゃいからフナ焼きなんだそうだ。まだストックがなくて、焼きあがるのを待って買った。
 そこまで食べたいわけじゃなかったんだけど、待ちだしたら意地になって、結局焼きあがるまで待っていたら、一袋四個のところ五個におまけしてくれた。100円相当。いや、美味しい。加えて言えば、帰りのコンビニで買った緑茶は砂糖入っていなくて嬉しかったのは言うまでもない。


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06.09.07

波音


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 川沿いを歩くと、隅田川で嗅いだ匂いがした。
 それからしばらく、川辺に座ってぼぅっとしていた。


 波音が耳元ですごく大きくて、自分は海に居るのではない、と何度も思い直さなきゃいけないくらいだったけれど、それでも川辺の時間はゆったりとしていて、心地よかった。

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06.09.06

音を落としていく空間

 そんなこんなで韓国に着いた。
 ここまですこぶるスムーズに流れている時間だから、なんとなくそういう流し方に一抹の不安を覚えないわけじゃないけれど、今ここでどう言ったって変わるわけじゃないから、なら頑張ってみて、後で調整できれば、とも思ったリする。
 とは言っても、それはそれなりに頑張ってからいえることだから、もう少し踏ん張ってみようとは思うけれど。


 韓国は秋の気配を存分に街のあちこちに内包している。
 光の色彩。
 風の匂い。
 音の落下。
 人の表情と服の陳列。
 街を流れる音楽は、東南アジアと比べたら物静かだ。(隣の人の話し声は聞き取りにくくなるけど)


 FW生のみなさん、薄手の長袖、ほしくなります。
 風邪引かないように気をつけましょ。朝晩はぐっと涼しいです。


 日本も秋なのかな、と思うと、今更にして郷愁を感じたりするけど、もう少しの辛抱だし、辛抱するほど帰りたくなるわけでもないから、まぁ、いいとして。
 韓国と日本は近くて似ている、とは思うのに、何かが根本的に違っている。
 きっと旅が好きな人とか、海外を語りたがる人は、そういう「根本的に違っている」ところを見つけて、それを日本という自分の故郷と比較して、そこに何かしら感じ入って、それで「良い」とか「住みやすい」とか感じるんだろう。
 けれど、それは旅行者の感覚から感じる土台も何もない尺度であって、本当に住むとなったら全然違う感覚で対峙しなくちゃ何も前には進めないとは思う。
 ソウル。すごく「過ごしやすい」けれど、それは一昨日までいたマレーシアとかそれまでの旅程の中で通ってきた国と日本と無意識に比較しているからで、「一番日本に近い」から「過ごしやすい」と思うだけであって、それ以上も以下もない。それでいいと思うけど、なんとなく、それだけじゃいけない気もする。


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 もう少しで旅も終わる。  元気な顔で帰れたらいいな。そして待っていてくれた人が元気な顔で迎えてくれればいい。  それだけを祈る残り10日たらず。
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06.09.05

だから移動は月曜日(9月5日未明)


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 前回のブログに引き続いて。
昨夜のフライトでマレーシアから韓国へ飛んだわけだけれど、やっぱり夜のフライトというのは身体に疲労を多分に残すなというのが一番の感想だけれど、それと同時に思うのが「空いている」ということ。それも月曜日の深夜のフライトなんて空いているに決まっている。それを踏んで選んだ移動日はその通りで、そのおかげで、誰かなら「やったぁ」と喜びそうなものだけれど、ほとんどの人が希望通りの席になっている。僕は韓国からの出国のフェリーチケットがどうこうということで、案の定もめて、フェリーのチケットのコピーを見せても受付の彼女は納得せず、あーだこーだやった挙句、結局押し切るような形でチェックインを済ませたから席の希望なんてとってもらえるはずもなく、それでも窓際だった。窓際、というのはつまり通路側ではないのだけれど、これだけ空いていれば通路もへったくれもない。ということで快適なフライトになった。


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今日の驚きといえば、イミグレーション。航空会社のチェックインカウンターであれだけもめたのに(といってもたかだが20分程度だが)、イミグレはものの30秒だった。パスポートを渡す、彼は僕の顔も見ずパスポートをスキャン、出国カードを抜き取り、パスポート返却。何?
通過してから振り返ると、なんと! 彼はその仕事用のコンピュータでゲーム中。。。
夜中だもんね。暇なのはわかるよ。わかるけどさ。だからってあなた、職務放棄もいいところじゃなくて?
まぁ、何はともあれ出国!ということで気にしないことに決めた。


それから、今日は紺野くんに駅まで見送ってもらったわけだけれど、その駅からなんと、同じフライトに乗る韓国人の女性と一緒だった。彼女もリュックにカート式のバッグ。僕はいつも通りのバックパック。「空港行き」というのは一目瞭然。
「空港に行かれるんですか?」
 の一言から会話が始まり、結局ボーディングまでほとんど話し通しだった。
 韓国の人はとてもフレンドリーに話しかけてくれる。そしてこっちの話も親身になって聞いてくれれば、あっちも面白おかしくいろんな話をしてくれる。今までで会った韓国の人はみんなそういう人ばかりで、なんというか、すごく好意的だ。
 今日話した彼女とはほぼ英語で会話したのだけれど、彼女はなんと日本語も喋れたのだ。彼女いわく「ちょびっと」。でもその単語が出てくる時点で充分だと思う。けれど、彼女はあまり日本語を喋ってはくれなかった(理由は、英語の方がわかりやすい、と言っていたけれど、それは本当だと思う)。でも、こっちは韓国語なんてさっぱりなので、文句もないし、むしろ「これはホントに韓国語、勉強しなきゃだなぁ」と思った。こんなに近くて、日本に友好的にしてくれている国民がたくさんいる国。その言葉を理解できず、なのに彼らは僕らの言葉を理解できる。それは何かずれてるんじゃないか。そう感じてきていたけれど、今日の彼女が決定打だと僕は思う。だって彼女の一言。
「やっぱり日本は好きだよ。チャンスがあれば住んでみたい」

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06.09.04

煙の流し方

 久しぶりに一日を「休養」と決め付けて、午前中はずっとごろごろしていた。は起きないからしゃべる相手もいないし(結局十二時ごろまで熟睡だった)、だからといって本を読みたい気分でもなくて、じゃぁ外でもぶらつきたいかと言えばそれも有り得なくて、寝癖のままのぼさぼさの頭でぼけっと窓の外を見ていた。
 僕らが今回KL滞在中に使っているホテルはチャイナタウンの隣りのインド人街とでもいうようなところで、そうでなくたってマレーシアはインド料理(つまりはカレー)のお店が多いのに、その周りはインド料理(つまりは、カレー)のお店しかない。で、ずっと見下ろしている窓の下はバス停みたいになっているから人は集まるし、バスとかタクシーも集まるから交通量はそれなり多くて、でも渋滞みたいにはなるわけもないくらいにしか走っていないと言うなんとも中途半端なまばら加減で、その向こうは工事現場みたいになっていて、重機がけたたましい、騒々しい音を立てながらガコンガコンやっている。それなのに窓は薄くて、音をほとんど遮断しないからうるさいはずなのに、彼は全く起きなくて、で、途中僕がタバコでもふかそうと窓を開けてみても起きる気配なんてなくて、それに安堵して(肖って)、一服。韓国で買ったのがまだ残っていたから、それに火をつけて、煙が流れる様をぼけっと見ていた。
 こういう時って視線が定まらない。それは全然構わないのだけれど、そういう時は何故か下のバス停にいる人達が全員インド人に見えてしまって、でもよく見れば半分以上がムスリムの人だったりしてるのに、やっぱりこういうなんともいえない思考状態のときは目に映るものがたいしたことなくても面白い。

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 街路樹の木の形が日本の木とは全く違うことに思い当たって、その木の形について何かを考えていたり、
 光が漏れたり雲に遮られたりしているのを路面で確認して、光の散乱の仕方とか性質を思い出してみたり、
 煙の主成分についてあれこれ思い出してみたり、
 副流煙と主流煙の色の違いについての理論をなぞってみたり、
 工事現場の音がうるさいということについていろんなことを考えてみたり、
 そういうくだらない時間をぼけぼけと過ごしていると時間なんてあっという間だということに気付いてみたり。


 それからが起きて、一緒にご飯を食べに行ってから、やっぱりこんな風にパソコンの前でぼけぼけしている一日が休養になると思うから、今日は一日こうしていようと思うのです。(もちろん彼は撮影に行きました。)


 ってなわけで、今夜、韓国のソウルへ戻ります。彼はもちろん残りますが。
 韓国。楽しみにしないわけにはいかないのです。
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06.09.03

そしてまたサンダルが壊れた。


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 なんとなくもう一度プトラジャヤに行きたいと思って行ってみたはいいけれど、晴れも晴れの快晴で、お店だって一軒も無いっていう街を歩くのは中々辛くて、灼熱のコンクリートの上を歩くのに何故サンダルで来たのだろうと後悔しながらてくてくと3時間以上歩いた。人の歩行速度はだいたい時速4キロくらいらしいから、単純に計算しても12キロは歩いたわけで、それだけ歩けば喉も渇くのは当たり前なのに、しかも店が無いのはわかりきっていたはずなのに、水なんて持ってきているわけもなくて、歩き始めてからだいたい一時間半くらい経ったあたりから目的が「撮影」から「自販機探し」になった。
 前回歩いたのとは反対のエリア(国税局っぽいカスタムって書いてある建物の前の通りで二分するとして、前回は国税局に向かって左側の、プトラジャヤではポピュラーな方を歩いて、今回は右側のあまりポピュラーではない方を歩いた)だったけれど、案の定企業の建物なんだか国の建物のなんだかはわからないけれど、明らかにオフィスっぽい建物しか見当たらなくて、レストランなんてあるはずもなく、車すらほとんど通らず、その中を自販機探しなんかしてる自分が本当に馬鹿らしく思えてきた。


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 で、結局はそのオフィスっぽい建物の敷地に入り込んで、エントランスホールの中を覗いてみる、という行為を三度繰り返し、三度目にようやくエントランスホールに自販機を発見して(もしかしたらその前の二回では見落としただけかもしれないけれど)、中に入ってコカコーラを買った。今朝、紺野くんが「小銭ばっかりになっちゃった」と言っていた時に、お札と両替してもらっておいて本当に助かったと思った。一缶1.30リンギット(日本円にして約40円)なのに、1リンギット札が使えないという代物で、50セント硬貨三枚で何とかなるかと思いきや、50セント硬貨二枚と20セント硬貨二枚じゃなきゃ買えなかった(多分お釣りがなかったんだと思うけれど)。もちろんそのコカコーラは1分と経たないうちに綺麗に消費してしまって、それから2時間後、建物もないフリーウェイの端っこを歩き通して駅にようやく着いた後も、同じことを繰り返したことは言うまでもない。
 水筒、もしくはペットボトルは必需品だと痛感した一日。

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06.09.02

町街待ち

久しぶりのクアラルンプール。とは言っても実際そんなに間は開いていないし、こんなに短期間にマレーシアの出入国を何度も繰り返している日本人観光客もどうかと思うけど。これで4度目。五月、六月、で今度は八月と九月。なんなんだ、もう。
 というわけで。そんな久しぶりのクアラルンプールも、とても過ごしやすい一日でした。

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 で、お昼過ぎに紺野くん到着☆。
 なにはともあれ、元気そうで何より!というわけで(どんなわけだ)、そのままのノリで水族館へ。。。


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 やっぱり水族館は、あの蒼い感じとか、水の揺れる感じがすごく好きです。また行きたいな、と・・・。
 紺野くん、ありがとうございました!

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夜行列車

シンガポール日記最終章です。
 前回で終わりと自分でも思っていたけれど、とりあえず帰りの電車も中々おもしろかったなぁと思ったりもしたので、レポートしてみようと思います。
 9月1日といえば、何かの日だった気もしないでもないのだけれど、良く思い出せない。けれどその日付の日が今年の僕にとってはシンガポール最終日だったわけで、前のブログにも書いた通り、一通り歩き回ってから、夕飯を食べにまたKitchener’s Rdと Jl Besar の交差点にある、中華系のカレー屋さんに行った。ちょうどその日はピークより少し手前というくらいの時間帯で、思い切り、といわけでもなく、でも何分も待たなきゃ食べられないくらいには混んでいた。客が自分で指差したり品物を言ったりして、目の前で希望通りのものをご飯の上に載せ、カレーをかける、というだけの調理(盛り付け?)だから、つまりは一人に1分とかからないわけで、それでもその時は10分以上待たされた。
 店の内観はこんな感じ。で、舗道とかにまで屋台っぽくテーブルが並んでいて、その一角はそのカレー屋さんのお客さんでいっぱいだ。いつも賑やか。営業時間は朝の11時から朝の三時まで。なんとも活気のいい。。。

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 その日はご飯大盛りで頼んでみた。普段より20セント増し(普段が2ドル70セントだから、大して変わらない)。




 その夜、少し早めに駅に着くと、マレーシアのイミグレーションカードを渡された。ジョホールバールで手続きだろうから、電車の中で書けばいいかなぁと思いながら待合室の椅子に腰掛けると、右も左も記入中。そんな急かさなくても、とは思ったけれど、なんとなく不安になって、手持ち無沙汰でもあったから僕も記入することにした。で、プラットホーム前のシャッターが開いて、中に入っていく。すると。そこにはマレーシア・イミグレーション。。。なんと!
 ここで「マレーシアに入国」してから、シンガポール北端のウッドランドの駅で「シンガポールを出国」するというなんとも奇妙なシステム。夜遅いから仕方ないとは思いつつも、二つの国に入国しているという状態は、考えてみると面白いなとも思いつつ。
 「マレーシアに入国」して、列車に乗車。列車は以前にみんなでタイのバンコクからマレーシアのバタワースに行ったときに乗った寝台車を小ぢんまりとした感じ。ただし夜を明かすだけなので食事とかはもちろん無い。

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 そして、無事シンガポールを出国し、列車は夜の中へ。。。




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06.09.01

豊饒のグリーン

 シンガポール日記その④。


 シンガポール最終日。ようやく晴れ渡って、爽やかな気分を久々に感じることが出来た気がする。けれど、最終日=移動日なわけで、宿の女将さんに(この言い方が適切でないのはわかっているけれど、女主人、というよりは「女将さん」の方が似合ったふくよかな人だから、敢えてこう言おうと思う)恐る恐る「列車が夜行なので、それまで荷物を一日預かってもらえないか?」と聞いてみたところ、二つ返事で承諾がもらえて、幸運にも撮影に一日中歩き回ることが出来た。


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 昨日のブログにも書いたけれど、やっぱりシンガポールではどうしても緑が目に付いてしまう。街路樹の量も実際多いのだけれど、街路樹ひとつひとつがなんだか個性的というか、主張が強いのだ。たぶんそういう樹を見慣れた現地の人たちからすればそれが普通なんだろうけれど、日本みたいな温帯の樹木を見慣れた僕からすると、そんなに見過ごせるような樹じゃないように思えてならないのだ。悪く言えば、「日本の樹木は貧弱」とか「日本の樹は貧相」とかになってしまうから、あまりシンガポールの街路樹を賛美し過ぎたくないのだけれど。日本だって街路樹は貧弱なものが多いけれど、山とか森林なんかに行くとやっぱり「猛々しい」といった言葉が合うような樹が多い。
 話は戻るけれど、そんなわけで今日は「よりオシャレな繁華街」に行ってきた(くせに写真にはオシャレな繁華街なんか一枚も写ってないじゃないか)。日本で言うなら銀座みたいなところ。でも雰囲気は銀座というより表参道といったところか(表参道のイメージが半年前のところでストップしているから、そのことも考慮に入れていただけると嬉しい)。
 とりあえず、雨で流れておしまい、という風にならなくて本当によかったと思う。

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